Google ShoppingとAI Modeはほとんど重ならない

2026年9月24日、ECサイトの支援を手がける代理店Common Thread Collectiveが、Productrise社の調査を分析しました。結果はこうです。通常のGoogle商品カルーセルに表示された商品のうち、同じ日に同じ検索語でAI Modeにも表示されたのはわずか1.28%でした。Google Shoppingでの掲載順位は、AIの検索結果に表示されるかどうかについてほとんど何も教えてくれません。以下では、この差がどこから来るのか、自社の失っている露出をどう計算するか、11月の販売ピークまでにフィードで何を変えるべきかを整理します。
AI Modeとは何か、その商品表示はカルーセルとどう違うのか
AI Modeは、リンクの一覧の代わりにニューラルネットワークGeminiが回答するGoogleの検索モードです。商品について質問すると、Geminiが回答をまとめ、その中に価格と販売店が入った商品カードをいくつか差し込みます。一方、おなじみのGoogle Shoppingのカルーセル、つまり検索結果の上に並ぶ商品の帯は仕組みが違います。こちらは横にスクロールできる長い列です。
どちらの表示も、商品、価格、販売店に関するGoogle共通のデータベースであるShopping Graphからデータを取得しています。これはGoogle自身が認めています。同時に、表示ごとに選定のロジックが異なることも認めました。ただし、調査の数値そのものをGoogleが検証したわけではなく、AI Mode向けの個別の推奨事項も公開していません。
データの集め方:23日間で2,000,000件の商品
パーセンテージを信じる前に、私は調査手法を確認しました。Productriseは100,000以上の検索結果ページから、2,000,000件を超える商品データを収集しています。対象市場はアメリカとイギリス、期間は2026年8月9日から31日までの23日間です。検索語ごとに同じ日の2つの表示を比較しているので、季節変動や価格変更は結果にほとんど影響しません。
サンプルは大規模ですが、その範囲は意識しておく必要があります。対象は英語圏の市場です。Googleに商品フィードをアップロードする管理画面Merchant Centerを使って米英向けに販売している方には、まさに当てはまる数値です。日本など他の国では数値が異なる可能性がありますが、基本的な仕組みは同じです。
なぜAI Modeの枠は7分の1しかないのか
平均すると、Google Shoppingのカルーセルは検索語あたり27.8件、AI Modeは3.9件の商品を表示します。一方を他方で割ると7.1。AI Modeの1枠に対して、カルーセルには7枠ある計算です。この差だけでも問題の一部は説明できますが、全部ではありません。もしAI Modeがカルーセルの上位4件をそのまま取っているだけなら、一致率は1.28%ではなく約14%になるはずです。
つまり、リストを短く切っているのではなく、選び方そのものが違うということです。1.28%をわかりやすく言い換えると、カルーセルで目にする78件の商品のうち、同じ検索語でAI Modeに表示されるのはおよそ1件です。
ここで役に立つのが、選択の心理学です。カルーセルはスーパーの棚に似ています。人は28の選択肢を自分の目で流し見し、目立つ場所にある商品が勝ちます。AI Modeは、質問を受けて4つの候補を挙げる店員に似ています。店員は棚の位置ではなく、商品が質問にどれだけ応えているかで選びます。だから2つの表示では上位に来る商品が違うのです。
AI Modeでは販売店も価格も違うことが多い
商品が両方の表示に入ったとしても、売上があなたのものになるとは限りません。そうしたケースの49.6%、つまりおよそ2件に1件で、1位の販売店が一致しません。同じモデル、同じスニーカーなのに、AI Modeでは別のショップが先頭に来ています。
価格も似た状況です。一致した商品の38.1%で価格が異なり、そのうち68.4%でAI Modeの方が高くなっています。掛け算すると0.381 x 0.684 = 0.26。一致した商品のおよそ4分の1で、AI表示はカルーセルより高い価格を見せています。
AI Modeの価格が高い場合、差の中央値は22.2%です。調査での平均は88.5%ですが、これは一部の極端な外れ値に引き上げられた数字で、Common Thread Collectiveのトラッカーのまとめでは平均21.6%とされています。そのため私は中央値を基準にしています。あなたの方が安く売っていても、AI Modeが高い競合を表示していれば、購入者が目にするのはあなたの価格ではありません。
自社の失っている露出を計算する方法
いちばん計算しやすいのは、表示シェアで考える方法です。調査の例を使います。あるブランドがカルーセル27.8件中3件を占めているとします。3を27.8で割ると10.8%、四捨五入して表示の約11%です。AI Modeで同じシェアを取るには0.11 x 3.9 = 0.42枠、つまり半枠にも満たない数が必要になります。
半枠というものは存在しません。どの検索語でも、ブランドはおよそ4枠のうち1枠を取るか、その表示にまったく出ないかのどちらかです。だから"Shoppingで何件掲載されているか"というおなじみの指標は、AI Modeでは機能しません。数えるべきなのは別のもの、つまり重要な検索語のうちどれだけの割合にそもそも登場しているかです。
私がこのチェックをどう進めているか。主要な検索語20から30件の表を作り、1行に1つの検索語を入れます。列は、カルーセルに商品があるか、AI Modeにあるか、それぞれの表示で1位の販売店は誰か、それぞれの価格です。価格が変わらないうちに、1日でまとめて確認します。AI Modeの列が"あり"になっている行の割合が、あなたの露出度です。
2026年9月16日からは、これを手作業以外でも確認できるようになりました。アメリカ、カナダ、オーストラリア、インド、ニュージーランドで、AI Performance Insightsが全ユーザーに公開されています。AI Modeと、通常の検索結果の上に出るAI回答であるAI Overviewsにおけるブランドの表示シェアを示すGoogleのレポートです。これらの国で販売しているなら、まずこのレポートから始め、レポートがない市場では手作業の表を使ってください。
なぜ急ぐべきか:9月のGoogleの4つの変更
表示の差は、AI Modeに広告と決済が入ってこなければ、興味深い統計で終わっていたでしょう。この1か月で、Googleは一度にいくつものことを変えました。
- 8月31日AI Modeの回答内に商品広告
- 9月1日キャンペーンをAI Maxへ自動移行
- 9月9日完全一致とフレーズ一致のキーワードがAI Modeに表示
- 9月16日Merchant Centerに会話型属性
- 9月22日Shopify向けにAI Mode内での決済
- 2026年8月31日。 Googleは、AI Modeの回答内に商品広告がカルーセル形式で表示されることを認めました。表示する商品は、GeminiがMerchant Centerのフィードから選びます。同じまとめによると、AI Modeの月間ユーザーは1,000,000,000人を超え、購入者の74%がAIを使って商品を探しています。
- 2026年9月1日。 Googleは、条件に合う検索キャンペーンをAI Maxへ自動移行しています。AI Maxは、システムが自ら検索語を拡張し、広告を組み立てるモードです。Googleによれば、コンバージョンは平均で+7%、完全一致とフレーズ一致のキャンペーンでは最大+27%になります。これは会社自身の発表であり、独立した評価ではありません。
- 2026年9月9日。 通常の検索キャンペーンで完全一致とフレーズ一致に設定したキーワードが、"ランニングシューズ 購入"のような直接的な検索語で、AI Modeにテキスト広告を表示できるようになりました。ユーザーが状況を丸ごと説明する会話型の検索語には、引き続きAI MaxかPerformance Maxが必要です。
- 2026年9月22日。 Googleは、条件に合うShopifyのストアを、Google Payを使ったAI ModeとGemini内での決済に自動で接続しました。購入者はストアのサイトに移動せずに支払えます。無効にするには手作業しかありません。Shopify admin、次にSales channels、次にAgenticの順に進みます。
以前のAI Modeは、何を買うかを提案するだけでした。今は広告も表示され、支払いもできます。11月の販売ピークまで残りは約1か月。その間に、98.72%のケースであなたが表示されていない場所が、レジに変わろうとしています。
Merchant Centerのフィードで今すぐ変えること
Geminiがフィードから商品を選び、GoogleがAI Mode向けの推奨事項を出していない以上、確認されている事実をもとに動きます。
- 会話型属性を入力する。 2026年9月16日から、Merchant Centerに商品の会話型属性が追加されました。何のための商品か、誰に合うか、どんな場面で使うかなど、ユーザーが質問するときの言葉で商品を説明する項目です。lululemonのテストでは、こうした属性がAI Modeのおすすめの50%に登場しました。
- AI Modeでの競合価格と照らし合わせる。 一致した商品のおよそ4分の1で、AI表示はカルーセルより高い価格を出しています。主要な20の検索語で、購入者がどの価格とどの販売店を見ているかを確認してください。
- 画像を更新する。 2027年1月31日までに、Merchant Centerの商品画像はすべて500 x 500ピクセル以上にする必要があり、推奨は1,500 x 1,500ピクセルです。それより小さい画像の商品は不承認になります。1月ではなく、11月までに差し替えておく方が安全です。
- Shopifyの決済について決める。 Shopifyのストアなら、すでにAI Mode内の決済に接続されています。残すかどうかを意識的に判断してください。無効化は手作業でしかできません。
カルーセル向けにキーワードを詰め込んで書いた商品名や説明文は、先ほどの例の店員にはあまり響きません。店員は質問に答えるので、フィードには答えが入っていなければなりません。
1時間でできること
- 主要な商品検索語を20件書き出し、同じ日にカルーセルとAI Modeでそれぞれ確認する
- AI Modeに商品が表示される検索語の割合を計算する
- アメリカ、カナダ、オーストラリア、インド、ニュージーランドで販売しているならAI Performance Insightsを開く
- フィード内で500 x 500ピクセル未満の画像を探す
- 売れ筋上位5商品の会話型属性を入力する
- Shopify adminのSales channels内のAgenticタブを確認する
まずは20の検索語の表から始めてください。"AI Modeにあり"という1つの列が、Shoppingの掲載順位を1か月眺めるより多くのことを教えてくれます。

Aleksandr
