マーケティングニュース, 2026年9月27日: ブランドはYouTubeのデータでクリエイターを選ぶ

Laterは、ブランドがインフルエンサーを起用するためのサービスです。そのLaterが2026年9月24日から、統計のスクリーンショットではなくYouTube自身のデータでクリエイターを選ぶようになりました。あわせて、元同僚が勤務先を確認するLinkedInのテストと、AI検索専門のエージェンシーは必要なのかという議論も取り上げます。
今日のテーマ:LaterがYouTube自身のデータでブランド向けにクリエイターを選び始めた
2026年9月24日、LaterはYouTube Creator Partnerships APIに接続しました。Laterはボストンを拠点とするサービスで、インフルエンサーに広告を発注するブランドが使っています。このAPIはYouTubeの公式なプログラムインターフェースです。クリエイター関連のサービスは、これを通じてクリエイターの視聴者や広告タイアップの成果について、YouTube自身のデータを受け取ります。Laterがこの連携を発表したのは、YouTubeのカンファレンスMade on YouTubeの翌日でした。
これまでLaterは、自社のデータをもとにブランドへクリエイターを推薦していました。今後の推薦には、長尺動画と、縦型の短尺動画であるShortsについてのYouTubeのデータが含まれます。Laterは動画の効果をEdgeAIというエンジンで計測しています。このEdgeAIは、キャンペーン終了後もほぼリアルタイムで計測を続けます。
LaterはYouTubeを選んだ根拠として、自社で行ったアメリカ在住者1,000人超への調査を挙げています。94%が定期的にYouTubeを訪れ、51%が1日に何度も利用しているという結果です。ただし、調査の実施時期や質問の文言をLaterは公表していません。つまりこれは広告用プレスリリースの数字であって、研究ではありません。
クリエイターにとっての結論はシンプルです。ブランドの担当者に送っていたYouTube Studioのスクリーンショットは、もう何も決めません。ブランドは同じ視聴者データをYouTubeから直接見ています。数字を盛ることはできません。その代わり、正直な数字を見せるのも簡単になりました。視聴者が本物のクリエイターにとっては、よいニュースです。
2つ目の影響はもう少し細かい話です。EdgeAIがキャンペーン後も効果を計測する以上、レポートの最終的な数字はアトリビューション期間で決まります。アトリビューション期間とは、売上や行動を動画の成果として数える期間のことです。期間が長いほど、レポートの数字は高くなります。期間を30日、60日、90日のどれにするかは動画の公開前に契約書に書き込み、すべての委託先で同じにしておくべきです。そうしないと、同じキャンペーンについてLaterのレポートと別のサービスのレポートを比べられなくなります。
2026年9月27日のその他のニュース
ConductorはAIの回答に向けた最適化を行う企業向けプラットフォームです。AEO(answer engine optimization)は、ChatGPTやGemini、検索エンジンのAI回答にブランドを登場させることを指します。1年前に始まったConductor AIは、数百社の大企業が利用しています。Charter、Airbnb、Coca-Cola、Atlassianもそのなかに含まれます。同社によると、顧客数は1年で12倍になり、四半期の新規顧客の流入は3倍になりました。最高製品責任者だったWei ZhengがCEOに就任し、共同創業者のSeth Besmertnikは取締役会に移りました。ConductorはAEOをSEOの発展形と考えています。AIの回答での露出を高める作業は、通常の検索での順位も強化するという立場です。製品の次のステップは、2026年10月28日にニューヨークで開かれるカンファレンスC3で発表されます。顧客のAI回答での引用率は公表されていません。ですから12倍という伸びが示しているのは需要であって、成果ではありません。
Traversは、品揃えの多いShopifyのネットショップを顧客にしています。GEO(generative engine optimization)は生成AIの回答での露出を高める施策で、別契約の独立したサービスとして売られることが多いものです。Traversによると、この名前で売られているものの大半はふつうのSEOです。彼の顧客の店舗では、オーガニック流入と売上のいちばん大きな部分を今もGoogle検索が占めています。彼がオーナーに勧めているのは、まずチャネル別のデータを確認し、予算をGoogleからGEOに移すのはその後にすることです。この立場は、AI向けの作業をSEOの一部とみなすConductorとも一致しています。GEOの別契約をすでに結んでいるなら、まずそれを見直すべきです。
MCP(Model Context Protocol)は、AIアシスタントが外部サービスに接続し、そのデータを扱うためのオープン標準です。EventtiaのサーバーはClaude、ChatGPT、Gemini、Copilot、Cursorに対応しています。イベント、参加者、セッション、登壇者、会場での受付、決済について、閲覧と書き込みの両方ができます。接続は5分以内で終わり、プログラミングは不要です。サーバーはすべての料金プランに含まれ、追加料金も利用上限も有効期限もありません。アシスタントは、登録ページやスポンサー向けアプリ、参加者ポータルを実データから自分で作れます。Eventtiaでは2014年以降、97か国で60,000件を超えるイベントが開かれ、1,100万人が参加しました。書き込みにはリスクもあります。アシスタントへの指示を間違えると、参加者の目に入る内容がすぐに変わってしまいます。ですから権限は接続する前に割り振っておくべきです。
Stravitoは、企業のマーケティング調査や消費者調査を保管するプラットフォームです。MCPは、AIアシスタントを外部サービスにつなぐためのオープン標準です。このサーバーを通じて、ChatGPT、Claude、Copilot、企業独自のAIエージェントが、管理された1本の接続で調査データベースにアクセスできます。サーバーはレポート、プレゼン資料、動画、音声、表計算ファイルから画像も含めて知見を読み取り、すべての回答に出典を示します。Eventtiaのサーバーと違い、アシスタントはデータを変更できません。社員が見られるのも、もともと閲覧を許可された範囲だけです。たとえばブランドマネージャーは、プラットフォームを開かずにチャットで「昨年のセグメント調査で何がわかったか」と尋ねられます。マーケターにとっては、高額な調査がようやく読まれるようになるチャンスです。調査結果が、AIとの業務チャットに直接届くからです。利用状況や精度の数字をStravitoは公表していません。
屋外広告(OOH)とは、街なかのビルボードやデジタルサイネージのことです。これまでは事業者独自の手法で、別のレポートとして評価されていました。今回、視聴者、接触、表示回数のデータを集める同社のデータプラットフォームRADARが、LiveRampのCross-Media Intelligenceに接続しました。同社によると、屋外広告事業者としては初めてです。ここでは、ビルボードとの接触から、スマートTV(CTV)、SNS、プログラマティック広告、音声広告との重複を取り除きます。同じ人を2回数えないためです。TransUnionはRADARのデータを個人の識別子と結びつけ、複数チャネルにまたがるアトリビューションに使います。さらに詳細な表示データを、マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)にも使います。MMMは、各チャネルが売上にどれだけ貢献したかを統計で推定する計量経済モデルです。照合率と検証結果は公表されていません。
Horizon Commerceは、広告会社Horizon MediaのEC専門エージェンシーです。Pacvueはリテールメディア、つまりマーケットプレイスや小売店の広告管理画面で出す広告のためのプラットフォームです。HorizonのツールBlu Commerceは、キャンペーンを運用するPacvueに、増分効果の推定とiROIを渡します。iROIとは、広告がもたらした売上だけに絞った投資回収率です。Revlon傘下のMitchumブランドでは、Amazonでの平均週間売上が13%伸びました。売上ランキングBest Seller Rankの順位は19ポイント上がり、有料検索からの売上は5%、コンバージョン率は3%伸びています。ただし期間、比較の基準、対照群は示されていません。ですから13%は今のところショーケースであって、証明ではありません。Pacvueは、100を超える小売広告ネットワークで、70,000を超えるブランドとエージェンシーの広告予算120億ドル超(約1兆8,000億円)を運用しています。
これまで会員が本人確認や勤務先の確認を無料で行うには、外部の書類確認サービスを使うしかありませんでした。今回のテストでは、LinkedInが「この人とその会社で一緒に働いていたか」を周囲の人に尋ねます。確認が十分な数に達するとプロフィールにバッジが付き、バッジは非表示にもできます。企業ページは、自社の現役社員だと偽っている人を削除できるようになります。ただし企業ページ自体が認証済みの場合に限ります。この認証は、広告を購入したときやPremium Company Pageを契約したときなどに付与されます。LinkedInの認証マークを自社サービスに表示するパートナーには、Adobe、TrustRadius、UserTestingに加えてTruecallerとPeerSpotが加わりました。認証済みの会員は、2025年12月の1億人から増えて1億1,500万人を超えました。LinkedInによると、認証済みの会員は投稿のエンゲージメントが50%高く、プロフィールの閲覧数は約90%多くなっています。
このプログラムでは、条件を満たしたクリエイターが動画に商品をタグ付けし、リンク経由の売上から手数料を受け取ります。これまで商品タグは、動画上の"view products"アイコンの奥に隠れていました。テストのパターンは2つです。視聴者が商品に関心を示した場合、タグは動画上と説明欄に表示されます。関心がほとんどない場合は、説明欄だけに残ります。YouTubeによると、変わるのはタグの表示位置だけです。リーチ、おすすめへの掲載、動画の露出には影響しません。2026年8月にはイギリスのクリエイターにもプログラムが開放され、2026年8月27日にはAmazonのアフィリエイトリンクが追加されました。プログラムに参加しているクリエイターは、商品を画面に映し、名前を声に出して言うとよいでしょう。視聴者が関心を示すきっかけが増え、タグが動画上に直接表示されやすくなります。
VideoObjectは、サイトのページに埋め込む構造化データのコードです。Googleはここから動画のタイトル、サムネイル、再生時間などの情報を取得し、検索結果に使います。今回からドキュメントはcreatorとauthorのプロパティに対応し、動画の制作者を指定できるようになりました。あわせて、サイトが再生回数などのカウンターを記載するinteractionStatisticフィールドで、どの種類のインタラクションを渡せるかも明確になりました。違いは、2026年9月21日時点のヘルプのアーカイブ版と比べるとわかります。Search Engine Roundtableはこの更新を報じましたが、検索結果への影響は評価していません。つまり流入が増えると約束している人はいません。自社で動画を持つサイトの運営者は、構造化データに制作者を追加し、カウンターを対応している種類の一覧と照らし合わせておくべきです。
クリエイター、広告主、サイト運営者がやるべきこと
- YouTubeのクリエイターとエージェンシーは、広告動画の公開前に、アトリビューション期間を30日、60日、90日のどれにするかブランドと取り決めてください。期間はすべての委託先で同じにしてください。そうしないと、サービスごとのレポートを比べられません。
- GEOやAEOに別料金を払っている人は、AI検索からの流入と売上の割合を委託先に請求し、Googleの数字と並べてください。委託先が数字を出せないなら、別予算は見直し、この作業をSEOのなかで進めるべきです。
- MCPでAIアシスタントを業務サービスにつなぐ人は、接続する前に決めてください。どのアカウントに書き込み権限を与えるのか。顧客の目に入る内容をアシスタントが変更したとき、誰が確認するのか。
- LinkedInを使うBtoB企業は、本人と勤務先の無料認証を済ませてください。広告予算のある企業は、企業ページの認証が使えるかを確認してください。認証がなければ、偽の"社員"をページから削除できません。
- 動画を持つサイトの運営者は、VideoObjectの構造化データにcreatorまたはauthorで制作者を追加してください。interactionStatisticのカウンターは、Googleが対応している種類と照らし合わせてください。


