マーケティングニュース, 2026年10月19日: Google Ads、顧客リストのハッシュ化を不要に

Googleは2026年11月16日から、顧客リストをGoogle Adsにアップロードする前にハッシュ化する義務を広告主から外します。Metaは、新しい規約の発効まで残り12日の時点でも、同社のロボットがビジネスのサイトをコピーできるという条項を消していません。そして、落ち着かない話がひとつ。Googleの取引先リストに載っていた事業者の広告が、端末45台にスパイウェアを送り込みました。誰も何もクリックしていません。
今日のテーマ:Google Adsは11月16日から顧客データのハッシュ化を求めなくなる
Data Managerは、広告主が自社で持つデータをGoogle Adsにアップロードするためのツールです。対象は顧客リストとオフライン販売、つまりサイトではなく店舗や電話で発生した購入です。2026年10月18日、11月16日からアップロードのルールが変わることがわかりました。日付の入っていないGoogleからのメールを、代理店ADSQUIREの創業者兼CEOであるアンソニー・ヒグマン氏がLinkedInで公開しました。
これまでは、顧客のメールアドレスや電話番号を、アップロード前にSHA-256という規格で元に戻せないコードに変換する必要がありました。これをハッシュ化と呼びます。Googleのヘルプによると、メールアドレスはまず正規化します。すべて小文字にして、余分なスペースを取り除く。そのあとでハッシュ化します。スペースがひとつ余っていたり、大文字がひとつ混じっていたりすると別のコードになり、その顧客はGoogleのデータベースで見つかりませんでした。
2026年11月16日からは、Data Managerは標準でハッシュ化ではなく暗号化されたデータを受け付けます。Googleはそれを復号し、信頼できる実行環境(TEE)の中で自社のユーザーと照合します。TEEは、サーバーの中でハードウェア的に隔離された領域です。変更の対象になるアップロード方法は4つあります。CRM連携、クラウドストレージ、ファイルアップロード、Data Manager APIです。
変更の影響を受ける機能は2つです。
- カスタマーマッチ。自社の顧客に、その連絡先をもとに広告を表示する機能です。
- 拡張コンバージョン。問い合わせや購入を購入者の連絡先と照合し、広告の成果を正確に計測する機能です。
Googleは、広告の効果が上がり、フォーマットのミスも減ると約束しています。広告主がすでにハッシュ化しているファイルがどうなるのかは、メールには書かれていません。
聞こえは親切です。CRMからデータを書き出す人の2人に1人がつまずいていた正規化の作業を、Googleが引き受けてくれるのですから。ただ、その作業と一緒に、読める状態の顧客リストもGoogleに渡ることになります。これまでGoogleが受け取っていたのは元に戻せないコードでした。これからは、自分で復号するデータを受け取ります。法務担当がいて、個人情報の取り扱い方針を持っている会社にとっては、話がまったく変わってきます。
11月16日までにやるべきこと:
1. 顧客リストがGoogle Adsに入ってくる経路をすべて書き出す。CRM、ストレージ、手動のファイル、API。
2. メールを法務担当に見せて、読める状態の顧客データがこれからどこで処理されるのかを確認する。
3. すでにハッシュ化したファイルの扱いをGoogleが説明するまでは、今動いているハッシュ化の仕組みを止めない。
2026年10月19日のそのほかのニュース
商用規約は、同社のサービスをビジネスに使うすべての人に適用される契約です。2024年3月6日付の前のバージョンには、この条項はありませんでした。新しい規約では、Metaはプログラムやテスト用アカウントを使って自社製品に関連するサイトを訪れ、コピー、キャッシュ、再クロールでき、そのコンテンツを自社製品の学習に使えるとしています。PPC Landは10月18日20:44 UTCに規約の英国向けプレビューページを保存しました。The Vergeの報道から約30時間後のことで、文言は一字一句そのままでした。ビジネス利用として明記されているのは広告だけではありません。ページの管理、マーケティングメッセージ、商品カタログ、広告マネージャ、Meta Business Suiteも含まれます。同意は受け身の形で、一部だけ拒否することはできません。同社の責任の上限は、$100または直近12か月の支払額のいずれか大きいほうです。Metaによれば、クローラーからサイトを守るにはrobots.txtでブロックすればよいとのことです。
元になっているのは、トロント大学の研究所Citizen Labが10月15日に出した報告書です。研究者たちは、イスラエルのDiscover-Techが購入したターゲティング広告によって、Al Jazeera職員の端末にCandiruというプログラムがインストールされたと、高い確度で結論づけました。被害者は何もクリックする必要がありませんでした。この手法は"AdFection"と名づけられ、クリックなしのターゲティング広告でスパイウェアが送り込まれたことが公に確認された最初の例とされています。Discover-Techは2020年からGoogleの取引先リストに載っていました。停止されるまでの2026年3月から6月にかけて、441,950,000回の表示を落札しています。広告を買う側にとっての教訓はこうです。プログラマティック、つまり表示枠の自動オークションでのターゲティングは、特定の個人に照準を合わせることができる。プラットフォームは今後、取引先の審査を厳しくする可能性が高いでしょう。
Demand Genは、YouTube、Discover、Gmailに広告を出すGoogle Adsのキャンペーンタイプです。Data Strengthは、広告主が自社データをどこまで十分にGoogleに渡しているかを示す評価です。Googleは10月13日にこの評価のヘルプを書き直しました。そして10月19日03:00 UTC、PPC Landのまとめによると、PPC News Feedがキャンペーン内の新しい指標について伝えました。同時に、自社データをアップロードするツールData Managerが、Googleのプログラマティック広告の買い付けプラットフォームDisplay & Video 360と、Google Analyticsにも対応しました。どちらでも拡張コンバージョンが使えます。方向性はハッシュ化の件と同じです。Googleの最適化は、広告主自身のデータにますます頼るようになっています。Demand Genを運用している人は、管理画面でData Strengthの評価を開き、どんなデータの接続を求められているか確認しておくとよいでしょう。
LinkedInは10月15日に、クリエイター向けの新しい収益化の手段を発表していました。それが今回、統計のすぐ隣、このパネルの中に組み込まれました。収益化の手段は3つです。動画広告、ブランドとの提携、個人コンサルティング。クリエイターはプロフィールの一か所で投稿の成果を見ながら、3つのうちどれが自分に合うかを判断できます。LinkedInで専門家ブログやB2Bブログを運営している人にとって、やることはシンプルです。Dashboardを開いて、自分のプロフィールで使える収益化の手段を確認し、統計と照らし合わせる。コンサルティングは投稿を読んでくれている人に売るのが自然ですし、動画広告はすでに動画が見られている場合に意味があります。
広告主、クリエイター、サイト運営者がやるべきこと
- CRM、ファイル、APIを通じてGoogle Adsに顧客リストやオフラインコンバージョンをアップロードしているなら、2026年11月16日までにData Managerの設定を確認し、ハッシュ化から暗号化への移行について法務担当と話し合ってください。
- Metaのサービスでページ、カタログ、広告を運用しているなら、2026年10月30日までに、同社のクローラーをサイトに入れるかどうかを決めてください。ブロックはrobots.txtでできます。
- Demand GenではData Strengthを開き、拡張コンバージョンを接続してください。自社データがなければ、Googleのキャンペーンはこれからますます苦しくなります。
- LinkedInで発信しているなら、Dashboardで使える収益化の手段を確認し、統計を見ながらどれを試すか決めてください。


